フィクション(小説風バージョン)
毎度おおきに!
私は大きな声で挨拶をしたのだ
運転席でにっこり笑ってうなずく推定40才のおじさんはおそらく腕に刺青が入っていることを匂わすヘアースタイルだった
ちょっと下がって門の外でお待ちください!
私は比喩に比喩を重ねて丁寧な滑舌で言い放ったのだ
せまい敷地なもんでトラックの待機場所もなく、一台ずつしか降ろせないので、中にトラックが入っている時は門の外で待ってもらうのが習慣化されていた
せかせかとトラックからゴミをおろし、荷台をホウキではきはきし、見送ったのだ
そして、
次お待ちの方、どーぞー!
私はハスキーボイスで彼の心をめがけ、シャウトした
ん、どうやらトラックの中でスマホをいじっているようだ
お待たせしましたーどーぞー!
そのトラックが止まっているところまで軽く30メートルはある
とても歩いて呼びに行く気力はない
おや、まだスマホをいじいじして気付いていない
すいませーんこちらへどーぞー!
私は、膨らました肺を一気に縮めるという必殺技で、申し訳ないが、彼の鼓膜をぶち破ることにした
ところが、
彼は顔色一つ変えず、スマホをいじりたおしていたのだ
効いていない?!(聞いていない?!)
次の瞬間、私はトラックにかけよっていったのだった